先日開催された「二期会ゴールデンコンサートin津田ホールVol.36佐々木典子」が、
4月16日(月)午前6時~6時55分、NHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」にて放送されます※。
収録時には、リヒャルト・シュトラウスに込めた演奏家としての想いや、自身が惹かれたリヒャルトの魅力を語っていましたので、演奏はもちろん、佐々木のインタビューにもご期待ください。
※55分の番組用に本プログラムから数曲を省略されての放送となります。
◆◆◆◆ 放送予定 ◆◆◆◆
放送局:NHK BSプレミアム
番組名:クラシック倶楽部
放送日時:2012年4月16日(月) あさ6:00~6:55
出演:佐々木典子(ソプラノ)、千葉かほる(ピアノ)
▼番組ホームページはこちら
・クラシック倶楽部 - NHK BS オンライン
◆◆◆演奏会レビュー◆◆◆
ウィーンで長く音楽活動の実績を重ねた佐々木が「大好き」というリヒャルト・シュトラウス。
コンサートでは、前半、その歌曲が作品番号順に演奏されました。
〈夜〉〈サフラン〉〈万霊節〉といった初期の佳品では、美しい詩の脚韻が、実に丁寧に歌い重ねられていきました。
〈ツェツィーリエ〉から一気に華やかで豊かな音楽がひろがると、「オペラ作曲家」リヒャルト・シュトラウスの姿が浮かびあがり、用意されていた後半のプログラムでは、『カプリッチョ』と『ばらの騎士』が取り上げられました。マドレーヌとマルシャリンという気品高い女性を、このシンプルなステージに、何か演技らしい演技をするということもなく、まるでオペラから抜けだしてきたかのように描き出した佐々木。プログラムの終尾には「四つの最後の歌」から〈夕映えにて〉を、この日のプログラムの中でもとりわけ深い想いをもって演奏したように思われました。
森を闇で覆う〈夜〉から始まり、〈セレナーデ〉を歌い、〈あすの朝〉を迎えた後、結ばれたふたりの〈満ちたりた幸福〉。〈わが子へ〉寄せる愛情を〈自慢話〉と〈こもり歌〉に込めて、気位の高い女性とともに、〈夕映え〉の中で「これが…死というものか?」と最期の感興にいたるーー
この日のプログラムは、リヒャルト・シュトラウスのどこまでもつづいていくような楽想と相まって、作曲家の人生がつづられた、まるで大きなひとつのモノローグのようでした。
アンコールに、ふたたび、〈あすの朝〉。
zen