先日の東京二期会『魔笛』弁者での活躍も記憶に新しいバリトン原田 圭が、9月27日(月)放送のNHK総合テレビ・首都圏ネットワーク「すてき!ひと探訪」で紹介されます。
演奏家として活動する傍ら、地元を中心に指導者としても活動する様子を紹介する内容で、『魔笛』公演をはじめ、埼玉県の女声コーラス、そして千葉県歌曲アカデミーの指導風景、その他インタビュー等が放送される予定です。
ぜひご覧ください。
<<放送詳細>>
放送局:NHK総合テレビ(関東地方)
番組名:「首都圏ネットワーク」
コーナー:「すてき!ひと探訪」
放送日時:9月27日(月) 18:10~19:00
※18:30~18:50の間の5~6分くらいのコーナーに出演します。
(緊急ニュース等、放送局の都合により放送内容は変更される場合があります。)
▼番組について
首都圏ネットワーク - 番組情報詳細|NHK首都圏
▼原田 圭のブログはこちら
声楽家・原田 圭の♪Kei's Blog♪
2010年09月 アーカイブ
北とぴあから秋を迎えに・・・
二期会オータムコンサートご来場御礼
昨年までの「サマーコンサート」に替わって、今年は初秋となる9月19日に開催された「オータムコンサート」。夏の暑さの残るなか、北とぴあ さくらホールはたくさんの歌で彩られました。
なかでも今回、最年長の出演者となった久岡 昇は、ワーグナー『タンホイザー』から「夕星の歌」を見事に歌い喝采を浴びました。かつて久岡が『タンホイザー』ヴォルフラム役の初舞台を踏んだ当時、この日の伴奏ピアニスト山田武彦は、なんとまだ2歳であったとか!
たゆみない歴史を重ねる二期会と声楽家の精進を象徴するエピソードなどとともに、功成り名を遂げた名歌手とオーディションにより選抜された歌手たちの名唱はお客様に大きな感銘をもたらしました。
アンコールでは「赤とんぼ」を出演者と会場の皆さまと一緒に歌うなど、場内は秋色の楽しいコンサートとなりました。
大勢の皆様のご来場、ありがとうございました。
出演者勢揃い。(楽屋にて)
後列(左から)
山田武彦(Pf)、北原瑠美(S)、久岡 昇(Br)、東城弥恵(S)、池田直樹(Bs)、藤山仁志(Br)
前列(左から)
榎本真美(S)、小林菜美(S)、大倉由紀枝(S)、大野徹也(T)
▼コンサート詳細は9月16日のブログ記事をご覧ください。
オペラの散歩道9月16日記事 - 二期会blog
モーツァルトの音楽とウルトラ怪獣!
童心にかえる楽しさ、東京二期会オペラ劇場『魔笛』終幕
モーツァルトのオペラ『魔笛』。人間の真の愛と徳を問いかける不思議な物語。多くの人に愛された演出家、実相寺昭雄監督が遺したファンタジックな『魔笛』を二期会歌手たち、スタッフが一丸となって、再び新国立劇場に創り上げました。熟練のオペラ指揮者テオドール・グシュルバウアーと読売日本交響楽団の奏でる美しい調べが心に残ります。
4日間の公演の模様を、写真とともにお伝えします。
◇9,11日キャスト(撮影:鍔山英次)
■10,12日キャスト(撮影:三枝近志)
◇
小貫岩夫が演じる王子タミーノ。2007年に続いての出演です。柔らかい安定した歌唱が魅力。
タミーノ:小貫岩夫
◇
嘘をついたために、轡(くつわ)をはめられてしまうパパゲーノ。3人の侍女は、息のあったアンサンブルを聴かせました。
左から
第1の侍女:桑田葉子、パパゲーノ:友清 崇、
第2の侍女:磯地美樹、第3の侍女:金子美香
■
王子タミーノに、パミーナ姫を助け出すように命じる夜の女王。ソプラノきっての難役で、ザラストロと対立する美しい女王の貫禄を見せた演技、超高音も決まり、大きな拍手をいただきました。
夜の女王:針生美智子
■
王子タミーノのお伴をすることになったパパゲーノ。王子タミーノには魔法の笛を、パパゲーノには魔法の鈴が与えられました。夜の女王の3人の侍女と記念撮影。
左から
第1の侍女:日比野 幸、タミーノ:鈴木 准、
第2の侍女:杣友恵子、パパゲーノ:大沼 徹、
第3の侍女:吉田理絵
■
パパゲーノは、いつでも子どもたちの人気者。鳥を捕って暮らしています。パパゲーノの存在は聴く人の心を明るくします。
パパゲーノ:大沼 徹
◇
モノスタトスに捕らわれたパミーナ姫。
モノスタトス(左):羽山晃生、パミーナ:増田のり子
◇
王子タミーノの奏でる笛に誘われて踊るウルトラ怪獣たち。愛矯を振りまく姿に思わず笑みがこぼれます。
(ウルトラ怪獣 ©円谷プロダクション)
タミーノ:小貫岩夫
■
パパゲーノとパミーナは、ザラストロの宮殿を抜けだします。モノスタトスとその手下に捕まってしまいますが、パパゲーノが鈴を鳴らすと、嬉しそうに踊り出しました。
(ウルトラ怪獣 ©円谷プロダクション)
舞台手前中央3人、左から
パミーナ:嘉目真木子、モノスタトス:栗原 剛、
パパゲーノ:大沼 徹
■
◇
三人の童子。モーツァルトは、この童子たちにとても可愛らしい旋律を与えています。
左から
第1の童子:青木雪子、第2の童子:金原智子、
第3の童子:北村典子
◇
王子タミーノとパミーナ姫に、真の愛と勇気の試練を与えるザラストロ。すべてを見通す智恵の人。
舞台中央
ザラストロ:小鉄和広
◇
夜の女王は復讐の刃をザラストロに向けるよう、娘パミーナに命じます。
この「復讐のアリア」もコロラトゥーラの高度なテクニックを要します。
夜の女王:安井陽子
■
お喋りを禁じられて退屈したパパゲーノのところにやってきたパパゲーナ。
はじめは老婆の姿で現れますが、後にグロッケンシュピールの力で若い娘の姿に甦ります。
パパゲーナ(左):鷲尾麻衣、パパゲーノ:大沼 徹
■
タミーノの愛が冷めたと絶望の縁で命を絶とうとするパミーナに、童子たちは彼の愛が消えていない事を告げ、立ち直らせます。
左から
第1の童子:岸 七美子、パミーナ:嘉目真木子、
第2の童子:小林久美子、第3の童子:志岐かさね
■
「明太子チーズ揚げ(!?)」と「ワイン」
パパゲーノの願いをかなえてくれる僧侶。
第2の僧侶(左):大川信之、パパゲーノ:大沼 徹
■
タミーノとパミーナは力を合わせて、「魔笛」と共に火の試練、水の試練に立ち向かいます。
パミーナ(左):嘉目真木子、タミーノ:鈴木 准
◇
パパゲーナに会えないパパゲーノは、世をはかなんで自殺しようとします。
パパゲーノ(左):友清 崇、魔木:寺田 農(特別出演)
◇
若い娘の姿に甦ったパパゲーナ。ついにパパゲーノの女房になる時がやってきました。
パパゲーナ(階段上):鈴木江美、パパゲーノ(舞台手前):友清 崇
■
フィナーレ。ザラストロ(大塚博章)を中心に大円団で幕となります。
9,11日キャスト カーテンコール
(撮影:堀 衛)
10,12日キャスト カーテンコール
(撮影:堀 衛)
多くのお客様のご来場、まことにありがとうございました。
(写真をクリックすると拡大してご覧いただけます)
▼公演詳細はこちらをご覧ください
2010年9月公演『魔笛』- 公演記録|東京二期会
夏から秋へ 歌、色づく北とぴあ〜「二期会オータムコンサート」公演間近!!
直前情報!予定プログラム詳細
ちらしダウンロード(PDF) |
間近に迫る本番に向けリハーサルも順調に進み、出演者たちの意気込みも最高潮に達してきました!
今年の司会はバリトン池田直樹とソプラノ北原瑠美が担当します。当日は池田作詞の「爺、線上のアリャ?!~G線上のアリア~」の誕生秘話など、このコンサートならではの貴重なエピソードを是非お聴き逃しなく! 夏の暑さから解放されて、爽やかな秋を彩る歌声を北とぴあでお楽しみください。 |
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【予定プログラム/公演タイムテーブル】詳細 |
14:00 | 当日券販売 | |
14:30 | 開場 | |
15:00 | 開演 | |
<第一部>45分 | ||
レオンカヴァッロ「朝の歌」 | 藤山仁志 | |
ロッシーニ「狂宴」 | 北原瑠美 | |
フォーレ「月の光」 | 小林菜美 | |
マスカーニ「月」 | 大倉由紀枝 | |
小林秀雄「落葉松」 | 久岡 昇 | |
原曲バッハ/池田直樹作詞「爺、線上のアリャ?!」 | 池田直樹 | |
ヨハン・シュトラウス『ヴェネツィアの一夜』より“ほろ酔い気分” | 榎本真美 | |
レハール『ほほえみの国』より“きみはわが心のすべて” | 大野徹也 | |
レハール『メリー・ウィドー』より“ヴィリアの歌” | 東城弥恵 | |
〜休憩〜15分 | ||
<第二部>60分 | ||
グノー『ロメオとジュリエット』より“ああ!私は夢に生きたい” | 榎本真美 | |
モーツァルト『フィガロの結婚』より“楽しい思い出はどこへ” | 大倉由紀枝 | |
プッチーニ『つばめ』より“ドレッタの美しい夢” | 東城弥恵 | |
ロッシーニ『セヴィリアの理髪師』より“陰口はそよ風のように” | 池田直樹 | |
ワーグナー『タンホイザー』より“夕星の歌” | 久岡 昇 | |
ヴェルディ『椿姫』より“ああ、そは彼の人か〜花から花へ” | 小林菜美 | |
レオンカヴァッロ『道化師』より“大空を晴れやかに”(鳥の歌) | 北原瑠美 | |
ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』より “祖国の敵” | 藤山仁志 | |
ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』より “ある日 青空を眺めて” | 大野徹也 | |
17:00 | 終演予定 | |
ピアノ:山田武彦 | ||
日時:2010年9月19日(日)15:00開演(14:30開場) 会場:北とぴあ さくらホール(JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分またはメトロ南北線王子駅5番出口前) 料金:(全席指定)A席3,000円 B席2,500円 C席1,000円 【当日券あり】 ご予約・お問合せ:二期会チケットセンター 03-3796-1831 *都合により演奏内容が一部変更になることがございます。あらかじめご了承ください。 *上記、予定時間は当日の進行状況によりずれる場合がございます。 |
ソプラノ亀山勝子がTBSラジオ「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」に出演
9月18日(土)TBSラジオ「永六輔その新世界」のお昼過ぎのコーナーにソプラノ亀山勝子が出演します。
夫である作曲家・ピアニストの亀山法男氏とコンビで、『ザ・クラシック笑(ショー) !! 』や『亀さんのおくりもの』などのコンサートを全国で公演している亀山勝子。
どんなお話が聞ける乞うご期待!
◇◇◇ 番組情報 ◇◇◇
「土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界」
◆放送日時:9月18日(土) 8:30~13:00
◆放送局:TBSラジオ
▼詳細は番組HPをご覧ください
土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界 - TBSラジオ
※放送日時は局の都合で変更になる場合がありますのでご了承ください。
<<<コンサート情報>>>
オフィス設計コンサート
亀山勝子&法男のザ・クラシック笑(ショー)!!
◆日時 2010年10月2日(土) 開演16:00
◆会場 オフィス設計 泉ガーデンタワー34階(六本木一丁目)
▼詳細・チケットのお求めはこちら
オフィス設計コンサート/亀山勝子&法男の♪ザ・クラシック笑(ショー)!!♪ - オフィス設計
▼亀山勝子(亀さん企画)の公式サイトはこちらです
亀さん企画 オフィシャルウェブサイト
『魔笛』最終日(12日)公演の当日券について
現在、新国立劇場オペラパレスにて公演中の『魔笛』は残すところ、あと1公演となりました。
最終日、12日(日)公演のチケットについて、B〜D席および学生席は予定販売数に達しましたため、発売終了となりました。
よって当日券は、S席およびA席のみとなります。
発売時刻は13:00より、発売箇所は新国立劇場オペラパレス入場口横でございます。
また、二期会チケットセンターのインターネットチケット予約では、明日の11:59までご予約が可能です。ご予約いただいたチケットは、ご来場前にお近くのセブン-イレブンにてお受け取りいただけます。
是非ご利用ください。
皆様のご来場をお待ちしております。
▼公演詳細はこちらをご覧ください。
2010年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』- 東京二期会オペラ劇場
▼インターネットチケット予約はこちらのページ中の「Gettii」ボタンよりお進みください。
二期会チケットセンター お取り扱いチケット一覧
※本公演は二期会チケットセンターおよび各プレイガイドへのお電話・FAXによる受付は終了いたしました。
【メディア掲載情報】『魔笛』の公演情報がクラシック・ニュースに掲載されています
昨日9日、新国立劇場オペラパレスにて幕を開けた『魔笛』。
再演となった実相寺版はより楽しく洗練され、多くのお客様に支持をいただきました!
クラシック界の最新情報をWebでお伝えする「クラシック・ニュース」にも本公演の情報が“ゲネプロ”の写真とともに掲載されています。
本公演は12日(日)までです。当日券のご用意もございますので、この楽しいオペラに是非ともご来場ください!!
▼クラシック・ニュースはこちらをクリック
東京二期会オペラ劇場『魔笛』実相寺演出で!楽しい舞台!- classic news:メロディが聴こえるWebサイト
▼公演詳細はこちらをご覧ください。
2010年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』- 東京二期会オペラ劇場
(当日券情報は9月8日のブログ記事をご参照ください。)
▼ツイッターでは制作担当者が公演のリアルタイム情報をお送りしています!必見!!
東京二期会 (nikikai_opera) on Twitter
『魔笛』いよいよ明日開幕!
明日9日(木)から最高のオペラファンタジー東京二期会『魔笛』がいよいよ開幕します!
公演当日のご案内です。
※販売状況により券種によっては販売終了となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 ※公演タイムテーブルは、当日の進行によりずれる場合がございますので、あらかじめご了承ください。 |
【ウェブサイト掲載情報】
▼「WebマガジンOPENERS」では、『魔笛』のストーリーとともに見どころを紹介しています。
東京二期会オペラ劇場『魔笛』開幕 | Web Magazine OPENERS - THEATER|Tokyo Tips
▼公演詳細はこちらをご覧ください。
2010年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』- 東京二期会オペラ劇場
【メディア掲載情報】『魔笛』の公演情報がニュースサイトで紹介されました!
東京二期会オペラ劇場9月公演『魔笛』(9月9日(木)~12日(日)/新国立劇場)の公演情報が、インターネット・ニュースサイトに掲載されました。
▼MANTANWEB(まんたんウェブ)
魔笛 :「ウルトラマン」の実相寺昭雄監督演出作 怪獣たちも登場 3度目の上演へ
▼同記事には、Yahoo!Japanニュースからもリンクしています。
Yahoo!Japanニュース〜エンターテインメント
東京二期会オペラ劇場2007年7月公演『魔笛』より(写真撮影=高嶋ちぐさ)
MANTANWEB(まんたんウェブ)は、毎日新聞デジタルが運営している、日本のポップカルチャーのニュース・サイト。
アニメやマンガやアイドルの情報と並んで、我らがオペラ『魔笛』を紹介いただいています。幅広い層の方に観てもらいたい舞台です。
どうぞご一読ください!
▼『魔笛』の公演情報はこちらです。
2010年9月公演『魔笛』 - 東京二期会オペラ劇場
9月公演『魔笛』残席状況
東京二期会オペラ劇場2010年9月公演 W.A.モーツァルト『魔笛』の公演が間近に迫ってまいりました。
現在の残席状況をご案内致します。
9月7日18:00(情報更新)現在
18:30 |
18:30 |
15:00 |
14:00 |
|
凡例 ◎…余裕あり ○…あり △…残り少なめ
▲…ごく僅か ×…予定数終了
お座席によっては早期に予定数終了となることがございます。ご希望のお座席は、お早めにお求めください!
「学生席」はいずれの公演日も[予定数終了]となっております。
チケットのお申込は 電話03-3796-1831 ファクス03-3796-4710
また、公演詳細ページに予告編ムービを掲載しております。あわせてご覧ください。
↓↓↓こちら
『魔笛』公演詳細ページをみる - 東京二期会オペラ劇場
二期会ゴールデンコンサートVol.30「ドイツリートの継承」
中山悌一先生を想うメッセージ 【5】
《二期会ゴールデンコンサートVol.30中山悌一 一周忌特別演奏会「ドイツリートの継承」》(10月2日(土)津田ホール)公演に向け出演者から届いたメッセージ紹介。いよいよ最後に登場する二人の歌手です。
* * *
メゾソプラノ 伊原直子
演奏予定曲
ブラームス作曲 ナイチンゲールに寄せて/永遠の愛
音楽の真髄を追求なさった中山悌一先生
悌一先生のレッスンは朝9時。藝大大学院生の私は、毎回新しい曲を3曲ということで、前夜は緊張で殆ど眠れない状態でした。先生の見事な流暢な伴奏に支えられて歌う幸せ!あまり多くのことをおっしゃらず、時には素晴らしい声、生き生きとした表情で自ら歌って下さる一フレーズ。
“こんな具合かな”とおっしゃって、“この情景はどんなシチュエーションなのか?”という質問。
マーラー「亡き子を偲ぶ歌」を自分なりに情感豊かに歌った時、“センチメンタルは罪悪じゃ”とのひとこと。先生のおっしゃった本当の意味はドイツ留学中、身にしみて理解出来たことでした。
ドイツリートの名歌手でいらした悌一先生は、音楽の真髄を見抜き、芸術の高みを常に求めておられました。
今から41年前(1969年)中山悌一先生総監督、若杉弘氏の指揮(読響)で、ワーグナー『ラインの黄金』の上演となり(私のデビューともなりました)、日本のオペラ界に新たなエポックを切り拓かれました。先生は毎晩欠かさず練習場に来られ熱心にご指導下さいました。
あの時代、“二期会”は、中山先生を中心に、よりよき音楽を求め、まさに一丸となって燃えていました。
* * *
バリトン 多田羅迪夫
演奏予定曲
ブラームス作曲 エオリアンハープに寄せて/人の成り行きは
中山悌一先生の思い出
渡欧の前、私が演奏の方向について迷っているとき「タタラ、人間はな、やらねばならないと思う事をやるのではなく、自分が本当にやりたいと思う事をやるのが幸せなんだよ。」とおっしゃって下さって、それが心の中にすとんと落ちてゆき、迷いが消えたのでした。先生のこの言葉がなければ、きっと今の私はなかったでしょう。
また、帰国した後のことですが「冬の旅」や「詩人の恋」の指導をして頂いていた頃、小澤征爾さん指揮『さまよえるオランダ人』に出演する際に「期限は満ちた」のオランダ人のアリアを持って伺った時のことです。このアリアは演奏時間が12分以上もかかる長大な難曲で、歌うのも大変ですが伴奏するのも専門のピアニストでさえ骨の折れる曲なのです。「これを弾くのは何年ぶりかなあ。少し待っていろよ」と先生はおっしゃって、楽譜をじっと目で追っていらっしゃいました。そうしてレッスン室に静寂の中にもページをめくる音だけが聞こえる時間が3分を過ぎようとした頃、私は伴奏者を同伴しなかった事を悔やんでいました。「よーし、では始めよう」とおっしゃって先生がピアノを弾き始められた時、オーケストラを彷彿とさせる、えもいわれぬ素晴らしい音色と音楽がそこにありました。アリアの最期まで一度のミスもない完璧なピアノ演奏でした。私は歌いながらその伴奏の音楽の素晴らしさに身体が震えるのを止めることが出来ませんでした。先生は歌手として超一流なだけではなく、ピアノの名手として、いや、音楽家として超一流な方でありました。
* * *
二期会ゴールデンコンサート in 津田ホール Vol.30
〜中山悌一 一周忌特別演奏会「ドイツリートの継承」〜
公演日時:2010年10月2日(土) 16:00開演(15:30開場)
会場:津田ホール(JR千駄ヶ谷駅前/都営大江戸線国立競技場駅A4出口前)
料金:全自由席 4,000円
▼公演詳細・チケットのご予約・お問合せはこちらをご覧ください
二期会ゴールデンコンサート in 津田ホール - 主催コンサート|株式会社二期会21